コストダウンの方法2
昨日のブログに引き続き
「コストダウンの方法」について
書いていきます。
昨日は「材料」について書きましたが
今日は「つくり方」について
書いていきます。
「つくり方」と言っても、
家全体のつくり方を意味する
「プランニング」のことではなく
「造作の仕方」について書いていきます。
本題に入る前に「プランニング」での
一般的なコストダウンについて少し触れておきます。
プランニングでできるコストダウンは、
平面形状を単純にしていきます。
同じ床面積でも平面形状が凸凹していれば
外壁面積が増えて工事費が上がっていきます。
簡単に言えば「角を減らす」ことです。
「角を減らす」ことでコストダウンになっていきます。
しかし、プランというのは
建主さんが望んでいる暮らしや
敷地を読み込んで最適な建て方を
考えることですので、
コストダウンになるからという理由で
暮らしや敷地環境を無視するのは本末転倒になります。
ですから私は、あくまでプランはコスト優先ではなく
暮らしや敷地環境を優先させてつくっていくという
考え方を持っています。
だからこそ、本日テーマとする「造作の仕方」での
コストダウンが大きな意味を持ってくるのです。
では本題に入っていきます。
「造作の仕方」とは何か?
テレビボードや収納棚、下駄箱、キッチン、
ソファや作業カウンターなどの家具をつくることも
「造作の仕方」に入ってきます。
その他に窓枠やドアや引戸の枠も
この中に含んで考えています。
簡単なところから説明します。
窓周りには四方(掃き出し窓は下が床なので三方)に
木の枠がつくことが多いです。
この枠のことを「額縁」とも言うのですが、
その名の通り枠が額縁になって窓は景色が絵として
見えているんだと言うように考えます。
枠があることで壁から窓が切り取られ
額縁に収まった絵が出てくるというイメージで
窓はつくられています。
が、枠(額縁)があることで窓と壁との関係性が
一旦、離されることになります。
私は「壁の中に窓がある」と言う状態にしたいので
枠(額縁)を省略します。要は枠をつけません。
しかし、窓の下の枠(膳板と呼ばれています)を
無くすと、仕上げ材(クロスや漆喰など)の上に
埃がたまり、雑巾で拭くときに仕上げ材に
汚れが付着してしまいますので、
窓の下の枠(膳板)は入れるようにしています。
ですので両脇と上の枠、三方の枠を省略しています。
このことで材料費と大工手間が省かれ
コストダウンになります。
コストダウンになりながら
「壁の中に窓がある」と言う状態ができてきます。
次にドアや引戸
(ドアや引戸は「建具」と呼ばれています)の
枠について説明します。
建具も窓と同じように
周りには「枠」と言うものがつきます。
私は引戸を多用するのですが、
引戸は「開けておくこと」を
デフォルトで設計しています。
(ドアの場合、開けておくと邪魔になることが
ありますから引戸を多用すると言うことです)
家の場合、使うのは主に家族ですから
プライバシーよりも家族と一緒にいると言う状態に
重きを置いています。
それと、風通しも大事ですので
閉めて風を遮ってしまうよりも、
開けておいて風を通すと言うことを
大切に考えています。
引戸を開けておくと言うことは
「引戸を消す(引戸が隠れる)」
と言うことになり
「壁に穴が空いた状態」になります。
当たり前では?と思うかもしれませんが
3方向に枠があると
引戸を開けておいても枠があるので
「そこに引戸がある」ことを示すことになります。
そうなると引戸のこちら側とあちら側の
関係性が少し弱くなります。
(引戸を挟んだ両側の空間の連続性が少し劣る)
空間の関係性(連続性)があることで
実際の面積よりも広く感じたり
スムーズに感じたりするのです。
そのために、私は引戸の枠を省略しています。
実際は両側の縦枠は完全に無くし
上は天井の中に隠してしまいます。
このことで空間同士の関係性(連続性)が強まり
伸び伸び広々感じつつ
枠ななくなるので材料費と大工手間が
軽減されてコストダウンになっていきます。
「開けておくこと」をデフォルトで考えていますが
必要なとき(一人になりたいときや寝るとき)は
閉めていただければ良いのです。
こう言う使い方ですのでドアよりも引戸の方が
断然使い勝手が良いです。
次に「造作家具」についてです。
まずはキッチンセットです。
造作家具を建築の現場で採用するときは
「家具屋さん」と言って、造作家具を専門に
引き受けてつくる職人さんがいます。
この「家具屋さん」に頼むと、イメージを伝えれば
図面を描いてくれて綺麗につくってくれるので
とても便利です。
が、その分どうしても工事費はかかってしまいます。
大工さんの手間よりも家具屋さんの手間の方が
高い場合が多いです。
そこで、私の場合は私が家具の図面を描いて
大工さんにつくってもらうことで
コストダウンを図っています。
家具屋さんに頼むと高くなるのは
大工さんが持っていないような道具を使ったり、
家具屋さんの工場に特殊な加工機があって
大工さんではできないような加工ができるなど
技術的に可能なことが多いからです。
私は大工さんがつくることが可能な家具のつくり方を
考えて図面にしています。
その図面を見て大工さんが
現場で自分の持っている道具を使って
キッチンをつくっています。
場合によっては、引出などは建具やさんが
つくると言うこともあります。
もちろん、扉などは建具屋さんの仕事になりますが、
それでも家具屋さんに頼むよりも安くつくれていると思います。
キッチンセットはシステムキッチンを使えば
こんなに手間暇かけることがないのですが、
キッチンほど使う人それぞれで使い方が違うものは
ないんじゃないかと思うほど千差万別です。
しかもシステムキッチンは、どうしても既製品臭さが
出てしまうのも残念です、意外と高いと言うのも
私が積極的に採用しない理由です。
キッチンセットを造作した事例です。
・白子の家(平屋)
・趣味と暮らす家(2階建)
・ぼくらの家(平屋)
・鎌ケ谷の家D(平屋)
・アオハダの家(2階建)
・四街道の家(2階建)
・蓮田の家(2階建)
・おゆみ野の家(2階建)
・西船の家(2階建)
・ANA-nHOUSE(平屋)
・三山の家(2階建)
次にソファについてです。
ソファをつくることもかなり多いのですが
キッチンと同様に私が図面を描いて
架台を大工さんにつくってもらいます。
その上の座面と背もたれのクッションは
椅子の製作をしている家具工房にお願いしています。
課題の下の部分には、毛布などをしまっておける
ワゴンか引出をつくることが多いのですが、
置き家具のソファとそれほど価格差ない金額で
製作できています。
家に合わせたソファなのに
あまりコストアップしない、
しかもワゴンや引出がある多機能だからむしろ安い。
と思ってつくることが多いです。
ソファを造作した事例です
・DL HOUSE(平屋)
・趣味と暮らす家(2階建)
・アオハダの家(2階建)
・四街道の家(2階建)
・ひらく間(マンションリノベーション)
最後にテレビボードについてです。
テレビボードは単純なので大工工事で
つくることが容易です。
もちろん、扉や引出をつける場合は
建具屋さんの力を借りることになりますから
その分、費用はかかります。
ですから建主さんには扉無しで
お勧めすることが多いです。
扉がなければ、カウンター材を壁に飲み込ませて
空中に浮かせるか
床から側板を立ててカウンター材を支えるか
どちらにしても
それほど複雑な家具工事にはなりません。
最近は、壁掛け式にされるケースも増え
DVDレコーダーに代わって
HDDの方が多くなっているので
テレビボードをつくる機会は減ってきています。
テレビボードの造作事例です。
・DL HOUSE(平屋)
・ぼくらの家(平屋)
・私の巣(平屋)
・椿山の家(2階建)
・蓮田の家(2階建)
・印旛の家(平屋)
・西船の家(2階建)
・ANA-nHOUSE(平屋)
・三山の家(2階建)
・ひらく間(マンションリノベーション)
ソファもテレビボードも
大工さんにつくってもらわなければ
どこかの家具店で購入しておくことになりますので
購入費用がかかります。その購入費用を建築費に回して
造作家具にしてしまった方が、総予算で考えたときは
コストダウンになるだろうと私は考えています。
2日間にわたって「コストダウンの方法」について
考えてきましたが、コストダウンというのは
単に金額を減らすことだけで終わらせてしまうと
残念な結果になりやすいということです。
暮らしの質を落とさず、できれば質を向上させつつ
工事費をできる限り抑えるというのがコストダウンの
良い方法だと思います。
機会があれば
仕上げ工事についてもいつか
コスダウンの方法をここで紹介したいと思います。
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