趣味と暮らす家

夫婦の暮らしを楽しむ

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趣味を楽しめる広々とした家を建てたい

 

一本の電話から家づくりは始まりました。
「家を建てたいと思っていますがお願いできますか?」
後日お会いして詳しくお話を伺うことに。
10年前から家づくりを考えていて、その当時から、ご主人は家を建てるなら私たちに設計をお願いしたいとお考えだったということでした。それに加えて工事は是非、田中兄弟工務所にお願いしたというご希望でした。
奥さまも、ご主人のご意見に賛成して、お二人でお越しくださいました。

 
 

当時は奥さまのご実家にお住まいで、これから土地を探して、お二人の家を建てたいということでした。それからしばらくして候補地が見つかったとご連絡があり、現地を訪れました。裏手に崖があり、周辺全体が谷になっている場所でした。あたりを注意深く見ていくと玄関先に土嚢袋が積んであったりと、水害で困っているような場所でした。「ここに建てるなら床を上げて水害に遭わないようにした方がいいですね」とお伝えし、「お二人がこの土地の雰囲気を気に入ったのでしたらここに建てても良いかもしれません」と、お話ししましたが、結局この土地は見送ることになりました。

 
 

数日後、
「良い土地があるんですが見ていただけますか?」と、
ご連絡があり、鎌ケ谷駅のすぐ近くにあるその土地を見に行きました。ひっそりとした場所にあり、駅のすぐ近くでありながら落着いた感じで、面積もそれなりに広く確かに良い土地でした。しかし、旗竿状の土地で道路に面する部分が2メートルを切っていました、、、。
家を建てるには土地が道路に2メートル以上接していないといけません。不動産屋さんの話では、お隣さんに話をして接道が2メートルになるように少し土地を分けていただけるように交渉中とのこと。その交渉がうまくいくか、いつまでかかるかわからず、この土地も結局見送ることになりました。土地探しは、なかなか難しいものです。

 
 

それからしばらくして、
「この土地はどうでしょうか?」と、建主さんよりメールで土地の資料が送られてきました。
60坪ほどの大きさで古い住宅地の中の土地でした。実際に見に行ってみると、古家が建っていて南側が下がった崖地になっていました。崖はその高さが2メートルを超えると「がけ条例」によって建物に制限がかかるのですが、擁壁がきちんと検査を受けていて「がけ条例」の対象外になり、建物への制限がありませんでした。浄化槽を設置しなければならなかったり、古家の解体があったりと土地費用の他に負担がかかる要素はあるものの、立地条件や広さに加え、雰囲気もまずまずで、建主さんはここに家を建てることをお決めになりました。

 
 

 



プランを始める前に解体前の古家に入り、周辺の景色を確認しました。住宅街なのでどうしても周囲の建物は目に入ってきますし、全ての窓を交わすということは難しそうでした。その中でも景色の良い方向を選び、その方向に窓を設けるような家を意識しつつ、建主さんのヒアリングを行いました。

 
 

大きなご要望は、
1)ゆったりとしたサイズの家にしたい。
2)休日は音楽を聴いたり、映画を見て過ごせる空間が欲しい。
3)家の中に「窓を開けると外のようになる小さな空間」が欲しい。というものでした。

 
 

 

それを受けてプランをつくり始めいきました。この段階でつくったプランを軸に、数回プランの修正を行い、プランがまとまり、図面をつくっていきました。

 
 

 

図面が出来上がり、田中兄弟工務所に見積をお願いしましたが少し規模も大きいこともあって予算をオーバーしていました。建主さんご夫婦とじっくりと話合い、内壁の仕上げを土から漆喰に変更したり、全開サッシを一部F I Xに変更したり、内部建具を数箇所中止したりして減額していきました。この話合いによって本当に必要な建具を見出せたり、サッシも全開できるよりもF I Xの方が普段の見通しが良いことに気付いたり、内壁も漆喰の得意な左官屋さんにお願いできたりと、減額だからといって残念な結果にならず、逆に良い結果をもたらすことができたのではないかと感じました。

 
 

 

そして、いよいよ着工。
その前に地元の神主さんにお願いして地鎮祭を行い工事の無事を祈願しました。

 
 

 



基礎工事を終えていよいよ建前です。お昼は建主さんにご用意いただいたお昼ご飯をご馳走になりました。建主さんよりご挨拶のおことばをいただいた後に、美味しいご飯を頂戴しながら、建主さんと大工さんが、これからの家づくりについて楽しそうに言葉を交わしていました。

 
 

 




大工さんの手で手刻みされた柱や梁が組み上がり、最後に建主さんご夫婦に一番てっぺんの棟木は高すぎて危ないので足場に近い桁を掛矢で叩いていただきました。

 
 

 




2階の屋根の構造はあらわしになるので、大工さんが手刻みした梁や垂木がずっと空間の中に残り、いつも目にすることができます。無事上棟が終わり、建主さんと棟梁で四方清めを行いました。

 
 
 
 

 




「趣味と暮らす家」はご夫婦のための暮らしを支える造作工事がたくさんあって、大工さんの仕事量が多い住宅でした。窓辺のベンチも現場で大工さんがナラの板を幅はぎして造り付けていきました。

 
 

 



外壁はガルバリウム鋼板の小波板。軒を出していないので外壁は屋根と同じ素材にして劣化が少ないものにしています。劣化が少ない代わりに少し冷たい印象になるので部分的に板のところもつくり、冷たい印象を和らげています。小波板を張ってくれた板金屋さんが「小波板なんて素朴な材料なのに、こうやってきちんと張っていくと格好良くなるねー」と、自分で張った外壁を見て嬉しそうにしていました。

 
 

 




工事中の現場に建主さんにお越しいただき、進捗をご確認いただくと同時に、インナーテラスに設置する装飾の金物の位置について一緒に検討したりもしました。

 
 

 




工事中の現場も漆喰に当たる自然光が良い雰囲気を醸し出していました。
今回の漆喰は左官仕上の感じを出すためにコテ跡を残し、自然光の陰影を感じるように仕上げてもらいました。

 
 

こうして「趣味と暮らす家」は工事が進んでいきました。
出来上がった空間や外観は下の「設計例」をご覧ください。
設計開始から完成までの詳細は「ブログ」をご覧ください。

 

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ダイニング ベンチ2
ダイニング ベンチ
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キッチン タイル
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インナーテラス2
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インナーテラス3
オーディオルール インナーテラス
インナーテラス
リビング 漆喰 ソファ
リビング 障子
リビング障子 漆喰
自然光トイレ洗面台
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夕景 外観1
夕景 外観2
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ダイニング ベンチ2
ダイニング ベンチ
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キッチン タイル
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インナーテラス2
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インナーテラス3
オーディオルール インナーテラス
インナーテラス
リビング 漆喰 ソファ
リビング 障子
リビング障子 漆喰
自然光トイレ洗面台
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夕景 外観1
夕景 外観2
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撮影:小泉一斉
(Smart Running一級建築士事務所)
 

設計監理

野口修アーキテクツアトリエ

施 工

有限会社田中兄弟工務所

木造2屋建  延べ面積109.29㎡(33坪)
※プランは当初案