玄関の光と風
暦の上では秋ですが、
まだまだ暑くて、蒸している日が続いています。
これほど暑いとエアコンに頼らざるを得ませんが、
エアコンのスイッチを入れる前に
室内の熱気を排出する意味もあって、
自然換気の大事さを感じる毎日です。
リビングやダイニング、寝室などは
窓の位置や大きさについて考えることは
多いのですが、その他の部屋の窓は
疎かにされがちです。
特に玄関は窓の設置について消極的な
ことが多く、光も風も入ってこない
ケースがあります。
最近は、そう言ったことを改善した商品を
各サッシメーカーがつくり始め、
レパートリーも豊富です。
ただ、どうしてもサッシメーカーのつくる
玄関ドアは商品臭さがあって、
最初に人を迎えるための玄関ドアとしては
私は、そぐわないと感じています。
これは、神奈川県伊勢原市の平屋
「私の巣」の玄関引戸です。
ポーチを大きく窪ませ
雨を避けた位置に建具屋さんにつくってもらった
木製の引戸を設置しています。
ハンドルも木曽アルテックの真鍮製の手づくりの物です。
この引戸自体に換気や採光のための窓を設けると
製作費用が嵩みますので、
引戸自体はシンプルに木製にして
採光と換気は、別の壁に窓を設けて
そこで行っています。
写真 金田幸三
北側の安定した光を入れるべく
比較的大きなFIX窓を入れて
採光を確保しました。
その隣のスリット窓が開いて
換気ができるようにしています。
もちろん網戸もありますから
虫の侵入もありません。
幅が狭いので、開けておいても
外から侵入されることがなく
防犯性も問題ありません。
また、窓の上には軒がかかっていて
多少の雨なら開けておいても
雨は入ってきません。
玄関は、家に入る最初の空間なので、
できれば、その家に合わせてつくった建具(ドアや引戸)に
していきたいと思います。
その上で、採光と換気を考えて
いければと思っています。