屋根の上の屋根
今年最後の現場監理で
千葉県「ぼくらの家」の現場へ。
大工さんたちは
“ 屋根の上の屋根 ” をつくっていました。
「ぼくらの家」は “ 化粧垂木 ” と言って
室内から屋根を支える木(化粧垂木)を見せるデザインにしていて、
その木(化粧垂木)は単なる装飾ではなく、
構造的に効いている部材でもあります。
その木(化粧垂木)の上に構造用合板を張り、
水平力に耐える構造となっています。
普通は、垂木の下に天井を張るのですが
今回は化粧垂木にして室内から垂木を見せるデザイン
なので、屋根の上に天井をつくるような感じで
化粧垂木+構造用合板の上にもう一度屋根を
つくっています。
この “ 屋根の上につくる屋根 ” も
全く構造的に無意味ということではなく、
普通の家と同じように屋根としての
構造的意味のあるものになっています。
具体的には、
この屋根が “ そば軒(ケラバ方向の軒の出) ” を
支える役割を果たしています。
そしてこの “ 屋根の上の屋根 ” の中に
高性能な断熱材を入れて室内の温熱環境の良さを
確保しています。
その屋根とロフトの外壁が接する部分は
少し隙間を開けて屋根内部の換気が
できるようにします。
こうすることで屋根内部の湿気が外部に排出され
家の耐久性を向上させてくれます。
まだ工事中の状態ですが
この家の場合は屋根の面積が大きいので
屋根の頂点(棟部分)にも隙間を開けて
換気ができるようにしています。
ロフトの屋根も
このように穴を開けて
屋根内部の換気ができるようになっています。
こういう細かいことが
建物の性能に大きく関係してくるので
とても大事なことです。
屋根から降りて、ポーチに来ると
軒天(屋根の裏面)が出来上がっていました。
ポーチの屋根は1.76メートル出ているのですが
大きな梁で支えられていて、機能的ですし
安心感も同時にありました。
屋根工事を2度するような感じなので
屋根をつくるのに時間がかかっていますが、
その労力が報われる日が来ますので
大工さんたちには頑張っていただきます!!
来年も、この現場に行けるかと思うと
とても楽しみです!!!
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