縁側の夕景
南房総市の平屋「白子の家」。
建主さんから
『デッキではなくて、縁側にしてください』
と、要望があって木製の全開サッシの前に設けた縁側。
デッキだと、奥行きがあって、
縁に座った人とと家が離れてしまい、
室内にいる人との関係が薄くなるので、
奥行きの浅い縁側を要望されたのでした。
春に向かって少しづつ日も延びてきて、
縁側が活躍することも多くなってきます。
縁側は、
外(庭)と内(室内)をつないで
家と庭を一体的なものとして
暮らしを家に中だけで終わらせることなく、
庭も暮らしの一部に取り込んでくれる
とても家には大事な要素になります。
写真 小泉一斉
と、ここでこのブログの記事は終わるのですが、
この平屋がこうして何事もなく建っている
立役者の話を少し。
この縁側の前にあるマキの木は、
この家が建つ前は、もう少し家に近い位置にあって、
屋根に少し当たるか?という感じだったので
設計の段階では建主さんに
「もし屋根に当たるようだったら、
屋根を欠きとりましょう」
という話をしていたのですが、
家を建て始め屋根を掛け始めたときに、
建主さんのお父様が、突然ユンボを運転して
マキの木をあっという間に、上の写真の位置に
移動してしまったのでした!!
お蔭で屋根を欠きとることもなく、
綺麗な軒先のラインをつくることができて
「お父さん、ありがとうございます!」
と、心の中で叫んでいました。
マキの木を移動してくださったことで、
屋根だけでなく、この縁側も
こうして綺麗な形でつくることができました。
お父様がいなければ、
「白子の家」は、
もう少し雰囲気の違う姿になっていたはずですので、
この話抜きではいられません。
ありがとうございました!
「建主さんと一緒につくった暮らしの数々」