「ニッチは“飾らせる装置”になる|暮らしが変わる小さな設計の話」
ニッチをつくるとどうなるか?
私が尊敬する建築家の
加藤武志さんから以前、
「棚を(勝手に)つくると
建主さんが何かしら飾るから」
というお話をお聞きしたときに
なるほどなー、と感心したのでした。
そうは言っても、
ただ無闇に棚をつくっても
建主さんの「飾りたい」という
モチベーションには繋がらない
ことも設計をしているうちに
だんだんとわかってきて
飾りたくなるような仕掛けを
試していくようになりました。
仕上材がなんなのかも大事ですが
場所やフォルムも大事ですね。
今回は、
鎌ケ谷市「趣味と暮らす家」の
ニッチで、この話を進めていきます。
鎌ケ谷市「趣味と暮らす家」は
グラフィックデザインを
されているご夫婦の住宅です。
階段を上がるとホールがあり、
そこに小さなワークスペースがあります。
そのホールの先に
休日に音楽や映画を鑑賞する
「趣味の部屋」があります。
今回の棚、ニッチは
そのホールにあります。

(写真 小泉一斉)
「趣味の部屋」にいく途中の
ホールに横幅を広くし、
高さを抑えたニッチ。
(このニッチの高さは
もっと高くすることも
できますが、あえて
この高さにしています)
楢の板をしゃくって(削って)、
薄く見せることでニッチ自体が
ごつい印象にならないように
しています。
両サイドと上面は、壁の仕上げを
巻き込んで壁と一体化させていますが
背板は黒く塗って奥行き感と
暗さをつくり出すようにしています。
そうやって、
私が勝手につくったニッチに
こうして建主さんが
お気に入りのアクセサリーを
格好良く飾ってくれました。
ニッチは、あくまで背景ですが
建主さんが飾られたアクセサリーが
より素敵に見えているように思います。
ニッチや棚は、小さな存在ですが
暮らしを豊かにする大きな仕掛け
でもあるのです。
「なんとなく棚をつくる」のではなく、
“飾りたくなる理由”まで
設計できるかどうかで
暮らしの質は大きく変わります。
・なぜ、そこにニッチがあるのか
・なぜ、その高さなのか
・なぜ、その素材なのか
そういった一つひとつに
意味を持たせながら
住まいを丁寧に設計しています。
もし、
「せっかく家を建てるなら、
暮らしが自然と豊かになる
仕掛けを取り入れたい」
とお考えでしたら、
ぜひ一度、お話をお聞かせください。
あなたの暮らしに合った“仕掛け”を
一緒に考えていければと思います。

