小波板
鎌ケ谷市「趣味と暮らす家」の道路側外観。
この家が建っている土地は、
古くからの住宅地で、それなりの密度で
住宅が建っています。
この敷地も、東西方向は
隣地が迫り、軒を出すと建物の間口が
狭くなってしまうことから
軒を出さない方針で設計をしました。
(道路側は、アプローチのための軒を出しています)
軒を出さないと
外壁が、もろに日差しによる紫外線や
雨の影響を受けるので、
そのような環境でも耐えうるものを
外壁の仕上材として採用する必要がありました。
そのような素材はいろいろあります。
例えば窯業系サイディング。
今や住宅の外壁といえばサイディングですが、
せっかくの家が商品臭くなってしまうのを
避けるためにサイディングの採用は見送りました。
サイディングでも無塗装品のものもありますので、
無塗装品を使い、塗装することで
商品臭さを消していくということもありますが、
塗装の劣化やコーキングの劣化など
ありますので、無塗装サイディングの
採用も外していくことにしました。
ガルバリウム鋼板のスパンドレルもあるのですが、
コスト的な問題と、やはり “ 商品っぽさ ” という
ものが少しあって、悩むところですが
採用を見送りました。
その結果、ガルバリウム鋼板の小波板を
採用することにしたのですが、
その理由は、商品臭さがないことと、
商品でないが故に、納め方の自由度があること、
コストを抑えることができること、
そして何よりも素朴な材料であることが
採用の理由です。
出来上がった住宅は、上の写真のようになりました。
私自身としては、
商品臭さがなく、素朴でシャープな印象の
外観になって良かったと感じています。
写真 小泉一斉