壁を切り取って引戸を

一人で住む空間に個室は不要と言うよりも、
全ての空間が個室の中にあるという
そういうつもりで設計した
成田市のマンションリノベーション「ひらく間」。

すべの空間（間）が一体的になっていることを
デフォルトにすべく、全ての建具（ドア）を
引戸にして、普段は開け放し、空間（間）が
つながっている状態にした。

引戸であれば開け放てば、壁にぽっかりと穴が開き、
違和感なく空間（間）がつながる、、、
と言うわけではない。
もちろん開きドアに比べれば空間のつながりは
違和感は軽減されるが、
枠（鴨居や方立）があっては「そこに引戸があった」ことが
開け放していても残像のように残ってしまう。

そこで「ひらく間」では、
主要な室の枠はもちろん、
収納の建具の枠もなくすことにした。

こんな単純なことで
空間（間）のつながりは強くなり、
マンションの住戸全体が個室化した。

枠をなくした引き戸は
開け放したときは、全く姿を消し、
引戸を閉めたときは
壁を切り取った中に入れたように見え、
より引き戸の存在感が増し、
インテリアの一部として効果を上げている。


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