漆喰塗装
神奈川県伊勢原市の平屋「私の巣」。
ご飯を食べるときは、
ご飯を食べることに気持ちを集中して
食べたいし、子供にもそうして欲しい
と言うことから、
ダイニングをあえてコンパクトな
スペースにしています。
このダイニングが「私の巣」の
要の空間になっています。
平面的な広さだけでなく、
高さも、何度も検討し直して
決定しています。
屋根の構造をあらわした
屋根なりの天井。
この天井が「この上に床がない」ことを
示し、そこに身を置く人に「軽さ」を
感じさせます。
南の壁際は、
できる限り低くなるように
軒桁の高さを設定しています。
ただ、狭く、低くするだけでは
窮屈になるだけなので、
低くなったその先に
大きな窓を設けて
庭へ視線が抜けるようにして
狭くて低いのに開放的に感じるような
仕掛けをしています。
このように
狭く、低くすることで
囲われている安心感をつくりつつ
軽く、開放的な仕掛けをすることで
「狭いのに開放的、低いのに軽快」
と言う矛盾した感覚が居心地の良さを
生み出すのだと思います。
ここまでは、
空間のつくりについてのお話。
その空間を更に良くするために
考えるのが「仕上材」。
ここで使われているのは
「漆喰塗装」仕上げ。
しっかりとした和紙を張り、
その上にローラーで漆喰を塗っていく。
左官屋さんが塗る漆喰ほどの厚さは出ませんが
継ぎ目がなく、均一な塗り厚で、
表面はわずかに凸凹して光を乱反射させています。
塗装とはいっても漆喰なので
カビの発生が相当抑えられますし、
もちろん調湿効果も消臭効果もあります。
左官屋さんの漆喰も良いですが、
和紙の上に塗る漆喰塗装もなかなか
木の家に似合う仕上材だと感じた平屋でした。