宝物
昨日、お引渡しをした「ぼくらの家」。
構造的にも、意匠的にもこの家の肝となる梁に
この家の「宝物」を取付けました。
家族以外の人にとっては、
なんでもないようなものに見えるかもしれませんが、
家族、特にご夫婦にとっては、かけがえのない宝物です。
お子さんたちが小さかった(幼稚園生)ころに
つくった作品です。
この作品たちの張る順番を決めるときに、
ご夫婦が、
「あ、これは、あの子が幼稚園に入ったばかりのときのやつだね」
「この子は、昔からまとめようとしていたんだね」
「この子は、その逆で、感性でつくっていて、いまと変わらないね」
「裏に書いてある名前は、やっと書けるようになった頃だから読めないね」
と、ひとつひとつの思い出に耽っていました。
そうやって、
ご夫婦からひとつひとつの作品について解説していただくと、
私も、このなんでもなかったものが、
他人事とは思えない、
自分自身にとっての大事なものに思えてきました。
他所の家の子供のビデオを見せられても、
その子の親ほど楽しくならないと言うことは
よくあると思います。
この作品たちも、同じようなものなのかもしれません。
しかし、一緒に長い間家づくりをしてきて、
作品についての思い出話を伺ってみたら
その本当の価値がわかったような気がして、
とても嬉しい気持ちになりました。
家づくりがもう少しで終わろうとしたときに
ようやくご家族のことがわかったのかもしれません。