展開図
昨日は「展開図」という種類の図面を描いていました。
「展開図」というのは、部屋の真ん中に立って、
東西南北の4面の壁が立体的にどうなっているかを
示す図面です。
平面図は床を見ていますが、展開図は壁を見ています。
家は床よりも壁の面積が大きく、
壁にはいろんな高さの窓や、照明器具、棚、、開口、
様々な仕上げ材があるので、展開図はとても重要な図面で、
情報量の多い図面なのです。
図面を手で描くことからCADに変わったことで、
どんなスケールの図面でも詳細に描くことができるようになり、
特に「展開図」に描き込む情報量が増え、
いままでより、たくさん描き込んだせいで、
図面が見辛くなるという現象が
私の中で、頻繁に起こるようになりました。
この現象のもう一つの原因は、
「作図用紙」の問題にもあります。
手で図面を描いていたときは、
通常でA2サイズの用紙(トレーシングペーパー)を
つかっていたので、作図できる範囲が、たくさんあったのですが、
CADに変わったことで「PCから紙にプリントする」ことになって
普及しているプリンターのサイズで用紙のサイズが決まるということになり、
いまや図面サイズはA3が主流になりました。
(A2サイズのプリンターは高価ですし、置き場所にも困ります)
用紙が小さくなったのに、描き込みたい事は増えているので
見辛くなるのは必然と言えます。
小さな用紙に、できる限りたくさんのことを描きたい。
なんとか読み取れる1/50のスケールで展開図を描いて
ディティールなどは「詳細図」という1/5か1/10のスケールの
図面で描いていたのですが、
情報を盛り込みながら、もう少し展開図を見やすくするために
スケールを1/30にしました!
最初からそうしておけば良かったのかもしれないのですが、
平面と断面が1/50で、展開図だけ違うスケールにすることに
(図面を見てイメージするときに)違和感があって、
なかなか踏み切れないでいました。
1/50の方が、たくさんの範囲を描けますしね。
1/30のスケールで展開図を描いてみた感想としては、
「作図量が多くなったなあ」
という感じです。
A3一枚には、良くて2室、ほぼ1室しか描けないので
枚数が増えます。
そして何よりも、スケールが小さくなった(図としては拡大されたのですが)
ことで、細かいところまで描き込めるので、作業量が倍以上になった感じです。
これで、詳細図を描く量が減れば、
展開図を1/30にした甲斐があったということになります。
ちなみに、上の展開図はキッチンの展開図です。
今まで、もう少しあっさりとした図にしていて、
細かい部分は詳細図を描いて、
そこにたくさん描き込んでいました。
こうして展開図にたくさん描き込むことで、
この図だけで、ある程度のことが読み取れるようになりました。
これから家を建てようとされている方には
関係のない話に聞こえるかもしれませんが、
家づくりをするときにこの「展開図」を
建主さんも幾度となく見て、
いろんなこと(棚や照明の位置など)を決めるので、
建主さんにとっても、展開図が見やすくなるのは
良いことなのです。
いや、今までも1/50のスケールの展開図で
できる限り見やすくしていましたが、
さらに見やすくしたというお話でした。