どうやって設計しているのか?2)「あなたの依頼がなくとも、あなたの家の設計はすでにはじまっています」
私は野口修アーキテクツアトリエという木造住宅を中心に
千葉市の稲毛区というところで設計事務所をしています。
独立して22年を超え、今までの設計を振り返って考えることも
多くなりました。
設計をどうやってるのか?を
わかりやすくお伝えしていくことが、設計事務所や建築家の
敷居を本当の意味で下げることの一つだと思いまして、
今日から10回に分けて、
建主さんと出会う前から最初の案をお出しする
プレゼンテーションまで、
私が「どうやって設計しているのか?」
をできる限りわかりやすくお伝えしていこうと思います。
それから先の設計につきましては、
また機会をつくって、お伝えさせていただきます。
野口修一のプロフィール
目次
第1回 「実は “ お仕事 ” では無いんです」
第2回 「あなたの依頼がなくとも、あなたの家の設計はすでにはじまっています」
第3回 「わかりやすい言葉にしていく」
第4回 「設計が始まるきっかけ」「建主さんを知るために聞き、話し、考える」
第5回 「敷地を読むとは、敷地を味わうこと」
第6回 「役所に行くのは自由度を得ようとするため」
第7回 「設計は図を描くことではない」
第8回 「パースは、建主さんと自分自身に伝えるもの」「全体と部分を確認できる。それが模型」
第9回 「カタチを言葉に戻す。これが大事」
第10回 「設計(プランニング)の過程を整理する」「一緒に家をつくるために、まずは一人で」
第2回 「あなたの依頼がなくとも、あなたの家の設計はすでにはじまっています」
設計は、誰にも頼まれないときから始まっています。
当然、実際には、どなたかが私に「設計して欲しい!!」という
ご依頼があって具体的なことは始まるのですが、
それでは遅すぎます。
私はいつも何気ない人の行動を観察したり、
あるいは、以前の建主さんのご意見から
使い勝手を想像したり、
人の動きから家具に必要な機能を考えたり、
カタチや高さ(や段差)、適切な素材や色を
日々の暮らしで出会った出来事や人、モノから
ヒントを探しています。
要するに、設計の依頼が来る前から設計の準備を
始めているということです。
それは大工が鉋の刃を研いだり、漁師が網を繕うのと
同じことです。
音楽家は、
生活の中に溢れている音にいちいち反応してしまい
音階に置き換えて聞こえてしまうというのは有名な話です。
私の場合は、そこにある物の大きさが何ミリか気になったり、
素材の手触りを目から感じたり、
高さ方向の寸法が気になったりと、
空間やモノを建築的な視点で見る癖がついてしまっています。
それは考え方においても、そうかもしれません。
つづきます。
野口修アーキテクツアトリエの設計事例
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