頭の中でつくり、紙の上で実現する
只今、
千葉県の「ぼくらの家」と伊勢原市の「私の巣」の
図面を同時進行中です。
「ぼくらの家」には、
ご主人がリモートワークで使う
“ ワークスペース ” があって、
コンパクトなスペースなので、
有効に空間を使うため、
小さな寸法を大事にした設計が求められ、
緊張感を持って設計をしているところです。
上の図は「四街道の家」の
キッチンのバックカウンターの制作図です。
“ 図を描く ”
というのは、図を描くことではないのです。
頭の中にあるイメージ(まぶたの裏に出たもの)を
紙の上で、実際につくってみることなのです。
大工さんや左官屋さん、職人さんたちがつくる前に
私が一旦、紙の上でつくってみることが
“ 図を描く ” ということなのです。
「頭の中にあるイメージ」と書いた
“ イメージ ” は、なにも私が閃いたものではなくて
建主さんのご要望を基にしたものです。
それを自分の中に入れて、紙にアウトプットするということです。
この作業が、とても大変なのですが、
設計している!家づくりをしている!という実感が
あって、かけがえのない時間になっています。
紙の上でつくっているとき、
大工さんの手の動きが見えて、
とてもリアリティのある行為です。
「私の巣」でも、スタディスペースなどあって
「ぼくらの家」のワークスペース同様に、
紙の上でつくることになります。
不思議なもので、というか、
私は木が多いのかもしれないのですが、
「ぼくらの家」のワークスペースのつくり方を
考えているときに、
「私の巣」のスタディスペースや他の部分の
つくり方が気になったりしています。
テレビを見ていても、人と話していても
そういうことが気になって、
なかなか落ち着かない感じが、
ずっと設計している気持ちになっていて
嬉しさと辛さが同時になる感じで
複雑な精神状態になっています。笑
この精神状態は、
紙の上で、つくり方を決めてしまうまで
続くことになります。
ですので、早く決めてしまえば良いのですが、
決めたら終わってしまうつまらなさと、
もっといい方法がないか?
もっと考えたいこともあって
なかなか決められないのが困ったものだな〜と、
いつも感じています。
でも、いつまでも決めないというわけにはいかないので
現時点で一番良いだろうと思う方法で決定しています。
図は、なんとなく描いているものでもありません。
図は図でなく、リアリティのあるものなのです。
また、単にリアリティがあるだけでなく、
建主さんのご要望、ご希望をできる限り野暮にならないように
実現化するために、紙の上でつくる行為なのです。
そして、こうしたことが
家のクオリティーを上げていくことだと
信じています。
ですので、大変だけど頑張っていきましょう!!