きざみ
「鎌ケ谷の家M」は、基礎工事を進めつつ、
下小屋では “ きざみ ” が大工の手によって進められています。
平面形状が複雑なので、軸組みも複雑になり、
難しい角度で梁が組み合わさってきます。
上の写真は、北東の角の部分の梁(桁と登梁)ですが、平面的な角度もさることながら
立体的にも南から北に徐々に下がるのですが、
それが屋根勾配とは違う角度なので難しくなってきます。
大工さん曰く「CADがなかったら未だに計算中かもしれないです」と。
“ 手きざみ ” というアナログな方法も、
いまではCADというデジタルツールが支える時代になっています。
「垂木(たるき)」という、屋根を支える細い部材があるのですが、
その垂木もイレギュラーな角度で梁に掛かってくるので
梁に垂木が掛かる部分を欠き取る “ 垂木欠き ” も、
その欠き込みの左と右で深さが微妙に違ってきます。
小さな平屋ですが、つくる技術のレベルは相当高いものになっています。
今月中旬の上棟が楽しみです。
「鎌ケ谷の平屋M」
建築地:千葉県鎌ケ谷市
構造規模:木造平屋
延べ面積:63.92㎡(19.31坪)
住まい手:女性
設計監理:野口修一/野口修アーキテクツアトリエ
043-254-9997