すっきり見せる工夫
成田市のマンショリノベーション「ひらく間」は、
その名の通り、建具(引戸)を “ ひらいている ” ことを前提として
設計しています。
独り暮らしのため、通常は建具(引戸)を開け放して、マンション全体を
一体空間として使うためです。
建具(引戸)は、いつも開いている状態なので、
それが “ 自然に見える ” ようにしようと思いました。
以下、撮影 小泉一斉
それは「枠を無くす」という工夫です。
そんなこと大したことないと笑われそうですが、
その大したことないと思うことが、私には大きな効果があると思えたのです。
で、実際にやってみたら、建具(引戸)を開けた状態のとき、
“ 壁だけがそこにある ” ように見えて、開け放しておくことが
自然な感じになったと思います。
それと同時に、建具(引戸)を閉めた状態のとき、
建具(引戸)が壁の中にそのまま入っているように見え、
閉めた状態のときも、とても視覚効果があるな~と感じました。
枠は “ 壁の端っこ ” をつくってしまい、
内側と外側、壁と建具(引戸)を分断してしまうものです。
視覚的に “ スッキリとした ” 状態をつくるには “ 枠を無くす ” ことが
効果的だと感じた仕事になりました。
枠を無くすって言う操作は、良く見かけるものなのですが、
見るのと、自分で実際にやってみるのとでは相当な違いがあるので、
今回、実際にやってみて本当に良かったです。
ひらくことを前提としていない場合は、枠があっても良いと思います。
逆に、枠があることで、壁を保護できたり、枠があることで出来る意匠もあります。
あと、今回、全ての建具を引戸にしていることも重要です。
引戸は開けておいても邪魔になりません。
開き戸の場合は、開け放しておくと、邪魔になることが多いですね。
全ての建具を引戸にするというのは、簡単そうで意外と大変なことです。
引き代をつくるように、設計していかないといけないですからね。
大したことのない工夫でも、徹底してやり通せば
一貫性が出て、効果の大きな工夫になるのではないかと思いました。
「ひらく間」-成田のマンションリノベーションー
場所 :千葉県成田市
改装内容:築16年のマンションフルリノベーション(スケルトンリフォーム)
規模 :75.83㎡(3LDK)
住まい手:女性1人
設計監理:野口修アーキテクツアトリエ
tel 043-254-9997
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