木造の詳細 構造編
彰国社の「木造の詳細 1 構造編」。
私が買ったのは、もう30年前の第5刷 昭和60年のもの。
その当時は、全然この本の良さがわかっていなかった、、、。
吉村順三の「浜田山の家」の矩計図。
水上の軒先のつくり方は特に参考になります。
この他にも、軸組図も掲載されていて、
意匠と構造の関係がわかり易くなっています。
アントニン・レーモンドの「軽井沢ハウス」の煙突と屋根の取り合い。
工学的というより実際的な構造計画なんじゃないかと思います。
職人的というか。
伏図もあります。
篠原一男の「白の家」の軸組と矩計図。
図面はいたって普通に見えます。
この他に伏図がありますが、これまた普通に見ます。
清家清の「田園の家」の矩計図。
すさまじい描き込みの図面。紙面に納まりきれない感じです。
伏図も掲載されてますが、基本に忠実という印象です。
「標準設計例」というものが載っているのですが、
標準なのに “ 使用人室 ” があって、時代を感じさせます。笑
構造編なので、いろいろと構造について図が載っています。
こんな補強方法が紹介されています。
布基礎の下にロウソク石を入れて、その下に木杭を入れると言うもの。
いまの時代、布基礎自体が絶滅しそうなんですが、
昔は、こんな特殊なことを普通なこととしてやってたんでしょうね。
オーガとか重機が無い時代、どうにかして地盤補強しないといけないときに
こうして知恵を絞ってやってたんでしょうね。凄いですよね。
建て方だって、レッカーなんて無かったか、あっても凄く高かったから
当たり前に “ 手おこし ” してたんでしょうね。
この写真、丸太と丸太の6尺(1818ミリ)の間に両足を思いっ切り開いて掛けてます。
その状態で掛矢を持って力いっぱい振り下ろすところですね。
追掛大栓継をたたこうとしてるんでしょうか?なんか凄いですよね。
こんなに足を開いてしまって、この後どうしたんでしょう?
足を閉じれたかどうか気になるところです。
30年経ったいまでも、仕事のときに参考にしています。
特に、基本的な軸組の方法や仕口や継手のことは参考にすることが多いです。
書店で見かけましたら、ぜひ手にとって見てみて下さい。
一般の方が見ても、意外に面白い部分があると思います。
ちなみに、私が買った当時は¥1600でした。消費税なんて無い時代です、、、。
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