鎌ヶ谷の家M ー私だけの小さな平屋ー HOME 鎌ヶ谷の家M 日当たりのよい家に住みたいんです 「築40年以上の家で、寒くて暑いんです」と「鎌ヶ谷の家M」の建て主さんは、建替え前の家についてお話になりました。お嬢さんとお2人で、弊所へ建て替えのご相談でお越しくださいました。「私と娘、それぞれ別の家にしたいんです」というお話でした。同じ敷地にもう1軒、ご両親の平屋が建っていましたが、だいぶ前から使われていませんでした。当初はその平屋をリノベーションして、鎌ヶ谷の家Mの建て主さん(お母さま)の家にしようという計画でした。しかし、リノベーション費用と新築の費用の差がそれほどでもないことから、その平屋が建っていたところに鎌ヶ谷の家Mを建てようということになり、計画は進んでいきました。(お嬢さんの家「鎌ヶ谷の家D」は現在工事中です)もともとのお住まいは、西向きに建っており、夏暑く冬寒いとのことでした。方位によることだけでなく、当時の建物は断熱性能について考えられていないことが多いので、それも不快の原因の一つだったと思います。そこで今回は、冬場の日当たりを良くしつつ、夏場は直射を遮り涼しい家になるように、真南に向けて建てることにしました。真南に向けた場合の日射取得率を冬至と夏至、そしてその近辺の5日間ほどについて計算し、軒の出がどのくらいあれば有効か、軒の出でフォローしきれない窓はどれかを検討し、フォローできない窓のガラスについては日射遮蔽率の高いLOW-Eガラスを採用しました。“ 真南に向ける ” と日射をコントロールしやすくなり、太陽光を利用するにはとても有利な方法だと思います。(夏は日射しを遮りやすく、冬は日射を採り込みやすい)今回の計画で、建物を真南に向けようとしたときに、四角い平面形状ですと敷地に入りきれませんでした。そこで、北東方向の部分を敷地形状に合わせるように曲げて土地に収まるようにしました。従って、平面形状は「への字」になり、屋根の骨組みや屋根そのもののつくり方が難しくなりました。図面を描き、大工さんと打合せをし「への字」平面を克服しました。真南に向けたことで、予想通り冬は太陽光が室にに採り込まれ、夏は遮られています。また、夏場は大きな掃き出し窓から風が採り込まれ、玄関ホールに設けたオーニング窓から風が抜けます。間取りは「私だけの小さな平屋」になるように、ワンルームのようなつくりになっています。玄関ホールの引戸を開けると、まさにワンルーム空間になっています。但し、10畳ほどのダイニング(その中にワークスペースがあります)と寝室は普段は仕切らず使用しますが、来客時には寝室を隠すために4枚の引込戸を引いて、ダイニングと寝室を仕切って使えるようにしています。将来のことを考え、トイレ・洗面脱衣室・浴室は無柱にしているので、リフォームが構造を心配することなくできるようにしてあります。もし、車いすでの生活になったとしても、構造をいじることなくリフォームできます。多趣味で持ち物の多い建て主さんのために、大きな収納である 納戸と小さな収納をたくさん用意して、物があふれださないように計画しました。こうして「鎌ヶ谷の家M」は “ 私だけの小さな平屋 ” になっていったのでした。 設計監理 野口修アーキテクツアトリエ 施 工 有限会社田中兄弟工務所 木造平屋建て 延べ面積63.92㎡(19.31坪) 家づくりをご検討されている皆さまへ どのような考えで設計し、家づくりをしていくかをお話させていただくと同時に 設計期間や工期、大よその総工費についてご説明させて戴く「事前相談」を行っております。 当アトリエの進め方など、資料のみの ご請求も可能です。 事前相談・資料請求