ちばの木
現在工事中の南房総市「白子の家」は、
千葉の杉を構造材に使っています。
これは建て主さんのご希望だったのですが、
見積してみたら高くて、ちばの木を使うことを断念した経緯があります。
一般社団法人千葉県木材振興協会からの情報提供や
手続きの仕方のバックアップもあって、再度、ちばの木を使うことを
検討して行きました。
工務店さんの協力もあって、ちばの木を使うことによる
工事費のアップも許容範囲に納まり、
ちばの木を構造材に使うことが実現できました。
(認証された)ちばの木を構造材の全部の量の50%以上
(又は床面積1平米あたり0.1立米)を使うことで最大で25万円の補助金が出ます。
結構沢山もらえますね。
その25万円の補助金のお蔭と、工務店さんの上手なやりくりのお蔭で
建て主さんの「千葉の家をちばの木で」という、至極普通の希望を
叶えることができました。
具体的には、柱、梁、桁、母屋、棟木、垂木をちばの木にしています。
(間柱もちばの木ですが、申請外)
来年度も、ちばの木の補助金事業は継続されると言うことですので
新築をご検討の方は、是非ご検討いただければと思います。
設計の立場からは、折角ちばの木を使うのであれば、
ちばの木が魅力的に感じられるような使い方をしたいと思い、
設計を進めていったつもりです。
隠す材料と、あわらす(見せる)材料の区分けをして
ちばの木が空間と調和するように考えたつもりです。
継手と言って、距離のある場所では木を継ぎ足す部分があるのですが、
その部分も見えてくるので、
大工の素晴らしい手仕事を残すように「金輪継」という継手で
継いでもらっています。
ちばの木を使う場合、製材所から工務店の下小屋(加工場)に搬入して
上で書いたような継手などの加工をするので、
出来る限り、そういう下小屋を持っている工務店に
仕事をお願いする必要があります。
プレカットでも出来るとは思いますが、ちばの木をあらわしにする場合、
「金輪継」や「追掛大栓継」ができないので、
見え方としては少し残念な気がします。
ちばの木を使うなら、やはり手刻みが良いでしょう。
「白子の家」も、こうしていろいろと検討しながら、
ちばの木を使った素朴な空間がもうすぐ出来あがろうとしています。
楽しみでもあり、少し寂しくもあります。笑
「白子の家」
千葉県南房総市
家族構成:夫婦+子供2人
構造規模:木造平屋建て(一部ロフト)
設計監理:野口修アーキテクツアトリエ
tel 043-254-9997
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