引戸のこと

いろいろ

私が設計する家の建具(ドア)は、
ほぼ引戸にしています。

引戸を多用するのは、空間のつながりを考えて

「建具(ドア)を開けておくことが基本」

にしていることが、一つの大きな理由です。
引戸は、開けておいても邪魔にならないので、

「風を通す」

ことがやりやすいです。
また、引戸の場合は、

「開け方の調整がしやすい」

ので、少しだけ開けることも、
全開しておくことも、その時々のシーンに
合わせた開け方ができます。

開けておくことを基本にした場合、
できれば、開けたときに
壁にポッカリと穴が空いた状態にしたいので、
壁や天井につける木の枠はつけないことが
最近多くなりました。
ただ、木の枠をやめると壁の角が傷みやすくなるので
ケースバイケースで考えていく必要があります。

木の枠をやめると、壁からの出っ張りは
“ 巾木(はばき) ” だけになります。
巾木とは、床と壁が接する部分に入れる木のことです。
この巾木がないと掃除のときに壁を傷めやすくなるので
私は、巾木を省略しないつくりにしています。

そうすると、巾木に引戸の先端がぶつかって
壁と引戸に隙間が出るので、
引戸が巾木にぶつかる部分をカットしてもらっています。

この方法ですと、
引戸が壁にぶつかって止まることになります。
普通のつくりですと、引戸を閉めるときに
壁を傷めますので、引戸を上から吊る金物を使い、
さらにソフトクローズする装置を入れて
引戸が壁にぶつかる少し手前で
ゆっくりと閉まる様にしています。

開けたときにポッカリと穴が空いた状態にするときに
引戸を壁の中に完全に引き込む様にするのですが、
そうすると、
その引き込まれた壁の中にホコリが溜まっていき、
なかなか掃除ができないという問題が出てきます。

そこで、壁に穴を開けて掃除ができるようにしています。

見た目は少し違和感がありますが、
長く使う住宅にとって、
壁の中を掃除ができるかどうかの方が
大切になってきます。
こうしておくことで、この穴に掃除機の先端を入れ
ホコリを吸い取ることが可能になります。

上の2つの写真は、
千葉県の平屋「ぼくらの家」のピアノ室の引戸です。

全体の空間構成や風通しなどの機能を考えて
引戸を採用巣しているのですが、
同時に、壁を傷めないとか、掃除ができる
と言った生活する上での細かな配慮も
考えることで、出来上がった空間に
愛着を持って使ってもらえるのではないかと
思っています。

まあ、細かい話をしましたが、
引戸はとても使い勝手も良いし、
空間づくりを考えたときに意匠性も良いので、
家づくりをお考えの際には、
是非、引戸のご検討をおすすめしたいと思いまして、
この記事を書きました!

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