配置のわけ
葉山「土間から四季を、呼吸する家」は、南側に川があり、
とても素敵なロケーションなのですが、その素敵なロケーションを
つくっている川の川底が、敷地よりもだいぶ低く、崖の様な形状になり、
建物へ影響を与え、配置計画のときに、基礎の深さや杭の検討などして、
今の配置に決定しています。
上の図を少し説明します。
小さく見えづらくてすみません、、、
上3つは平面兼、配置を描いたものです。
3つの図で共通に入っている「赤の点線」が
川(崖)が敷地に影響を及ぼす範囲です。
一番左が、敷地だけの図です。
真中は、川(崖)の影響があるので、小屋(離れ)を
あきらめて、青空の駐輪スペースにした場合の消極策です。
一番右は、川(崖)からの影響を受けるけれど、
構造的な工夫をして、小屋(離れ)を設けた、積極的な案で、
採用したのもこの案になります。
もう少しこの3つの図の見方を説明すると、
左から、川(崖)からの影響を受けることがわかった敷地を確認し、
それならば、建築費も掛かりそうなので大きく影響を受ける部分は
青空の駐輪スペースにしたらどうか?とやや腰の引けた思考。
それだと、折角のロケーションを活かすことも、そもそも土地自体を
ちゃんと使いきった案にならないので、影響を受ける部分に
このロケーションを享受できる空間をつくろうと、考えて
下をピロティにした小屋(離れ)にすることを考えました。
下2つの断面は、
左が小屋(離れ)の断面で、北に広がる山と南側の川の景色を
見ながら仕事が出来る空間になっていることを説明しています。
あえて天井を低くし、小屋らしい雰囲気を出しています。
川(崖)の影響を受けているので、鋼管杭を深く入れて
構造的にその問題を解決しました。
右は、家全体の断面になっています。
LDKから庭→デッキ→川という景色を見ることが出来ます。
2階の寝室や子供部屋からも窓辺に座り、
川の景色を見ることが出来ます。
そしてこの図は
「どうしてデッキやバルコニーの手すりを囲わず、透かしているか?」
について説明していて、それは、建て主さんからのご希望で
上に書いたように、家から庭や川の景色を見るためだと言う説明をしています。
しかし、お子さんがまだ小さいことから、
落下する危険性があるので、ネットを設置し、落下防止をするということになっています。
この家の計画を通じて、出来る限り積極的な思考で
計画していくことの大切さを感じました。
と、同時に信頼できる構造設計者の存在の大きさも
感じた仕事でした。
土間から四季を、呼吸する家
建築場所:神奈川県三浦郡葉山町
構造規模:木造2階建て
家族構成:夫婦+子供(4歳)
設計監理:野口修アーキテクツアトリエ
043-254-9997
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