工事費は一緒につくるもの

日記

設計というのは、
「お金(工事費)をどうコントロールしていくか」
ということが重要な要素になっているのは間違いありません。

設計初期の段階、いわゆるプランニングを始める段階では
いかに要望に応えつつ、床面積を小さくできるかを
意識しながらしていきます。
床面積は建築費を考えるときに、
最も重要な要素です。

単に床面積を小さくすると
暮らしにくくなるだけですから工夫が必要になります。
窓の配置や天井の高低、平面の広狭。
家具のつくり方やレイアウト。

私が設計した住宅は、どれもその考え方で
つくっていますが、その中でも特徴的なのが

平屋22
私の巣
DL HOUSE
HB HOUSE
ふるさとをつくる家
三山の家
四街道の家

です。

造作家具のつくり方も建築費に大きく影響してきます。
家具屋さんにつくってもらうとコストアップになりますから
図面をしっかり描いて、大工さんがつくれるようにして
大工工事で家具をつくりコストダウンを図ります。

この方法も、ほとんどの家で行なっていますが、
特徴的な家は、

白子の家
ぼくらの家
私の巣
平屋22
三山の家
四街道の家

です。

素材や仕上材も、素朴なものや
下地材を仕上に利用するなどして
コストを抑えようとしています。
杉やラワンを多用しているのは
このような考えがあってのことです。
ただ、杉やラワンを不用意に多用すると
チープな雰囲気を醸し出してしまうので
やはり工夫が必要です。

白子の家」や「ぼくらの家」、
私の巣」、「平屋22」をご覧ください。

なんといっても、建具(引戸やドア)が
建築を圧迫してきますので、
不要なものは設置しないようにします。
建具の素材(面材)をラワンにしても
ナラやタモといった高級材にしても
それほど値段に差はありません。
(とはいっても1本3000円くらいは違ってきます)
既製品の建具を使えば安くなるのですが、
家の印象は建具で決まるといっても
過言ではありませんので、どうしても
建具は建具屋さんにつくってもらったものを
採用したくて、既製品を使ったことはありません。

つくってもらった玄関引戸や内部建具の良さは
どうしても譲りたくないところです。
ですから、減額を考える際には、
既製品を採用するという方法ではなく、
本数を減らすという方法を取ります。

だいぶ前置きが長くなりました、、、

こうして設計する側が色々と考えながら
進めていきますが、
設計者だけが考えてうまくいくということはありません。

家のサイズにしても、
設計者が「工夫もしたし、このくらいあれば十分」と
思っても建主さんが納得できなければ成立しません。
できる限りコンパクトにした部屋に、図面上で必要な家具を置き、
機能上、問題なことを確認していただきつつ、
建主さん側にも、使う際の工夫を考えていただくことで
コンパクトな部屋が成立するということは多々あります。

造作家具についても、
実現したい使い方を求めつつも、
仕舞いたいものをしっかり把握して
(多少の余剰んも考慮しつつ)
引出の本数が過剰になりすぎないように
(引出が多くなればその分費用がかかる)
建主さんにもコントロールしていただく必要があります。

素材や仕上も適材適所はもちろんですが、
コントラストをつけた選択、
重要でない部分は下地材を多用し、
見せ場になるような部分は多少費用がかかっても
意匠性や機能性のあるものを採用する。
これも、建主さんの同意があってはじめて叶うことです。

建具だって、全ての部分に入れたいところですが、
「そこに本当に、いま建具が必要か?」
を設計者だけでなく、建主さんにも考えていただき
本当にいま必要な建具だけをつくることで
必要なお金だけが使われていくことになります。

工事費は設計者だけがコントロールするものではなく
建主さんと一緒につくっていくものなのです。

さらに、ここに工務店さんが加わり、
工務店さんなりの工夫を教えてもらって
3者で工事費をつくっていくことになりますが、
工務店さんのことは、また別の機会に
詳しく書きたいと思います。

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