矩計図

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昨日は一日、
袖ケ浦市の平屋「紅の家」の
矩計図を描いていました。
プランの段階でかなり検討していたつもりでしたが、
いざ矩計図を描くのに、細かな部分や納まりを検討していくと
いろいろと検討し直す部分があって、
今日も矩計図の作図が続きます。

矩計図というのは、設計の中でも特に重要とされる図面で、
著名な建築家は、矩計図だけはスタッフ任せにせずに
自分で描くと言う方が多いです。

私の場合はスタッフがいませんので、
矩計図はもちろんのこと、すべての図面を
描いています。
(知り合いの優秀な設計者に作図を手伝っていただくこともあります)

少し前(半年以上前)に描いた矩計図を見ていきますと、

長生郡「ふるさとをつくる家」の矩計図です。
左の図が玄関部分、右が主要な部分の矩計図です。
2階の床の構造をそのままあらわして、
1階の天井として、天井の高さを確保しています。
2階も屋根の登梁をあらわして軽快な空間になるように
断面計画をしました。
屋根は登梁の上に張った24ミリの構造用合板で
水平構面をつくり、その24ミリの構造用合板を
跳ね出してケラバ方向の軒の出としています。
バルコニーの構造もここで十分検討し、
構造的なことはもちろん、通気の方法を考え
耐久性に関わる検討も行なっています。

印旛郡の平屋「DL HOUSE」です。
デッキ(南)側の低い部分の高さの検討と
玄関(北)側の軒先の高さの検討をして
矩計を決めていきました。
デッキ(南)側の低い部分があまり高くなりすぎて
虚しくならないように注意しつつ、
玄関(北)側の軒先も高くなると
その下にいても雨に濡れてしまうなど、
機能的でなくなる危険性があるので、
できる限り低くなるように寸法を決めていきました。
それでいながらダイニングでは開放的な感じを出したいので
最高部の高さもある程度欲しいと言うことで、
このような断面計画になりました。
基礎が高いのは、建主さんのお父さんから
「この辺りは浸水する」ということを教えていただき、
敷地自体をあげて欲しいという要望があったのですが、
構造的にも経済的にも敷地全体を上げるのは不利だと判断して
基礎を上げる計画としています。

東金市の平屋「HB HOUSE」です。
家具をつくることが趣味(と言うより人生の一部)と言う建主さんのために
住宅棟の他に工房棟をつくっています。
2つの建物は軒先が触れるか触れない程度離して並んで建っています。
工房棟は片流れ屋根にして長物の材料がストックできるようにしています。
住宅棟の方は、ワンルーム形式の空間で内部に柱や梁が出てこないように
つくりました。また、空間の半分が土間になっていて、
床との段差を150ミリにしてキッチンワークトップがそのまま
カウンターテーブルとして利用できるようにしています。
土間にする場合、基礎の立ち上がりの処理をどうするか、
断熱をどう納めるかが設計のポイントになってきます。
この住宅では、構造設計者と話し合いをして
基礎の立ち上がりを外側に偏心させ、
壁の通気のために基礎立ち上がりの天端を一部欠いています。
もちろん、この平屋でも高さをどう抑えていくか?
矩計図によって、構造設計で決められた構造材との関係を
整理して決定していきました。

矩計図は、上記のことのように高さ方向のことを
中心に検討していく図面ですが、
私は、それ以外に、通気の経路を確認していくことを
重要に考えて設計しています。
壁や屋根は通気がないと湿気がこもり、
構造材にダメージを与えていきます。
そうならないように、どこから給気して
どこに排気するか?
通気は良くても、それが原因で防水に影響を
与えていないかの確認は重要です。

矩計図を考えることは
その空間に身を置いたときの心地良さを
検討することと同時に、機能的なことはもちろんですが、
建物の耐久性について考える図面ですから
この図面なしに、家を考えることはできません。

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