常に1/1
基本設計に入った
袖ケ浦市の平屋「紅の家」。
プランを検討しているときの
図面のスケールは1/100だったが、
基本設計に入るとその倍のスケールの1/50で
図面を描くことになる。
これは「紅の家」の1/50のスケールで
描いている平面図の一部を拡大したもの。
(アルミサッシの部分はメーカーが用意した図を使用している)
1/50のスケールで描いているので
実際にプリントアウトすると、
こんなに細かく描いていることは
わからない。
プリントアウトした時に見えるかどうか
を気にして描いているのではないので
見えなくたって構わない。
では、どうしてこんなに細かく描いているのか?
それは
「一旦、紙の上(モニター上)で家をつくる」
ということをしているからです。
1/100だろうが1/50だろうが、1/5だろうが
図面を描くときは常に1/1で描いている。
図面上で、きちんとつくれることを描いて
確認しているということ。
手で描いていたときは、
それを頭の中でやるしかなかったのだが
CADで図面を描くようになってからは
常に1/1で図面を描くことができるようになった。
「紅の家」は、まだ1/50で図面を描き始めたばかりなので
これから各部分についてもっと1/1で検討していくことになる。
これは、埼玉県「椿山の家」の
平面図の玄関廻りの一部を拡大したもの。
現場製作の木の玄関ドアとその枠、
アルミサッシとの取り合い、
下駄箱との納まりが1/1で描かれている。
これも図面としては1/50のスケール。
(モニター上では見えづらくなるので、それぞれの線が
同じ太さになっていますが実際の図面では、
それぞれの線の太さは重要なものほど太い線で
表現されるように設定されプリントされます)
“ 図面を描く ”
ということは、線を引くことではなく
紙の上(モニター上)で一旦つくることを言います。
「紅の家」も、これから紙の上でつくられていき、
図面は、単なる紙の上に線が引かれたものではなく
もっと厚みのある意味を持った創作物になっていきます。