装飾的本棚
昨日のブログに続いて今日も本棚について。
本棚には、本をしまうという機能的な役割と、
本の背表紙を見せるという装飾的な意味があります。
また、本棚と呼びながら
本以外のものを飾って鑑賞すると言うこともよくあって、
その棚には、気に入った飾り物が
余裕を持って置かれていると言う光景はよく目にします。
市原市「ちはら台の家」は、
大手ハウスメーカーの分譲住宅の
リノベーションなのですが、
“ 昭和の喫茶店のような空間にして下さい ”
と言うリクエストがあって、
リビングダイニングをその様なつくりしています。
それと同時に、
その “ 昭和の喫茶店 ” に
本棚をつくって、本を眺めながらお茶を飲みたい
と言うリクエストもあって、
既存の窓を活かすように、
その壁面に本棚と飾り棚、抽斗を
複合的に納めた収納棚をつくりました。
写真は、まだお住まいになる前に撮影したので
本が入っていませんが、
上が本棚、下が小物をしまう抽斗や収納、
一部はガラスの引違戸を入れて
フィギアを飾る場所にもしています。
その面から折り返した部分も
本棚と他の機能を複合した棚にしています。
折り返すことで壁面全体が家具のようになって
より、装飾的な印象が出てきます。
本棚に本が収まっている状態は
こちらのブログから。
つくる大工さんの目線で
本棚というのを見てみると、
側板(縦の板材)と棚板(横の板材)しか無いので
単純そうに見えて、水平垂直につくるのが難しく、
縦と横にしか材料がないので逃げようがい(誤魔化しようがない)
難易度の高い仕事なので、積極的にやりたがるような
造作工事ではないと感じています。
でも、出来上がると
大工さんが苦労しただけあって、
本棚の存在感は大きなものがあります。
「ちはら台の家」の本棚も
大工さんが相当苦労されてつくってくださったものです。
「設計の流れ」