構造がそのまま意匠に
現在設計中の
鎌ケ谷市「趣味と暮らす家」も
印旛郡の平屋「DL HOUSE」も
屋根の構造をそのままあらわし、
空間の要素とした意匠にしています。
上の写真は
鎌ケ谷市の平屋「鎌ケ谷の家D」
ですが、この平屋も
屋根の構造をそのまま意匠にしています。
天井面に見えている板は
“ Jパネル ” という杉を3層でクロスさせた
構造用のパネル材で、主に水平力を負担しています。
従って、木造の住宅でよく見かける “ 火打梁 ” は
不要になり、スッキリとした感じになります。
その “ Jパネル ” の下にある
屋根の流れ方向に平行に入れている木材は
“ 垂木 ” と言って、屋根を支える部材です。
この垂木を一定の間隔に入れることは
構造でも大事ですし、意匠としても
その下の空間にリズムを感じさせてくれます。
さらに、垂木を支えている “ 母屋 ” と呼ばれる梁が
その力強いサイズで、空間に安心感を与えてくれています。
こうして屋根の構造をそのままあらわすことで、
天井がなくなり、空間全体を暮らしに使えることになります。
もちろん、断熱はしっかりと屋根の上でやっていて、
天井で断熱するよりも精度の高い断熱工事ができるのも
メリットです。
ただ、この方法の場合、天井が無い分、
屋根を二重につくるような工事になることと、
あらわす構造材が多いので、どうしても
大工さんの手間が多くかかり、
工事費に影響を及ぼす可能性があることが
デメリットとしてあります。
構造材をこうしてあらわさずとも
基本性能を確保しつつ、
スッキリとした意匠にする方法も
ありますから、ケースバイケースで
その住宅の事情などに合わせて
設計していくことが大切なことは
言うまでもございません。
しかしながら
構造がそのまま意匠になることで
無駄を省きながら家全体を感じることができる
空間になることが、木造住宅の魅力の一つですので
条件が揃う様でしたら、屋根の構造はあらわせればと
考えております。
近いうちに、
屋根の構造をあらわさないで、つくった空間の良さも
ここで紹介させていただきたいと思っております。
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