軒先水切観察
昨日は、すごい雪でしたね。
さっきまでアトリエの前と駐車場の雪かきをしていました。
アトリエの入口に少し深めの庇をつくったのですが、
軒先から垂れる雨水をきれいに切るために、
工夫を施しています。
“ 唐草 ” と呼ばれる板金で一旦水を切るのですが、
切れずに鼻隠(軒の先端の木部)に廻った水が軒天(庇の天井)に
伝わって汚くならないように、鼻隠の形状を段々にして、
鼻隠しに水が廻っても、そこで水が切れ、
軒天まで伝わっていかないようにしています。
アトリエの場合は、軒天をガルバリウムにしているので、
軒天に雨水が伝わってもそれほど汚れないので問題無いのですが、
ここで実験をして実際の設計のときに活かしています。
この部分は、以下のスケッチの通りつくられています。
庇に残った雪が溶けて、唐草に雪解け水が流れていっています。
雪解け水のように、ゆっくりと流れる場合は、上の写真のように
唐草部分だけで水が切れていくようです。
良く見ると、鼻隠部分に水が垂れた跡があります。
ここに雨水が伝わっているということです。
その伝わった雨水は、鼻隠の段々形状で水が切れ
軒天には廻っていないようです。
この写真は、庇の側面部分です。
唐草の下の方にある木部を “ 破風 ” といいます。
その破風の下端に水滴がいくつかついています。
良く見ると、破風の下端には溝があります。
この溝を “ 水切目地 ” と言い、
ここで垂れてきた水を切る目的で溝がほられています。
その目的の通り、水滴は溝より内側には無く、
水切目地で水が切られていることがわかります。
その部分は以下のスケッチの通りつくられています。
今回、庇に残った雪の雪解け水がどうやって処理されていくか?
観察したのですが、概ね設計時で考えていた通りに上手く処理できていました。
破風と壁際の関係はもう少し検討したいと思いますが、
その他については、この方法で大丈夫だと感じた観察でした。
同じ方法でつくった庇などを持つ住宅の事例は
「三山の家」の玄関庇
「アオハダの家」のポーチ屋根
「四街道の家」の玄関庇
があります。
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