アーカイブ、秋山さんのお宅(3)最終回
10年前に写真家の秋山さんのお宅へ伺ったときのことを
記事にしてあった。
いま読み返してみても、面白い記事だったので、
10年前と同様に3回に分けて掲載します。
その3回目・最終回です。
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秋山さんのお宅、母屋、お兄様のお宅の工事中の写真と、竣工写真を
解説付で拝見させていただいていると・・・
壁に縁甲板を張る秋山さんが写っていたり、家族で食事をしている写真が
あったりと、その当時の様子、住宅づくりに参加されている様子、
家が出来て嬉しく、そしてそこで楽しそうに食事をとっている様子、
とても幸せそうな、いまでは見られなくなった「家族像」がそこにはありました。
また、母屋は建て替える前は立派な日本家屋で、通りに面して建っており、
その当時既にたっていた秋山邸と、その日本家屋の母屋が美しいまちなみ
をつくっていたことがその写真から見てとれました。
その光景は、周辺に住んでいた方々に良い景観として貢献していたに
違いありません。
もちろん、日本家屋を壊された現在の母屋が建っている景観もすばらしく、
日本家屋のものとは質の違った「佇まい」がそこにあることは言うまでも
ありません。
リフォームを重ねると同時にメンテナンスされた
現在のそれぞれの住宅は、時代を超えて、ひっそりと、そしてしっかりと
そこに建っています。
老朽化に伴う不都合はあるものの、
空間は老朽化していない。
というよりも、今建てられている多くの住宅よりも
その空間は新鮮である。古いのに未来を見いるような感じである。
最後に庭を拝見させていただきました。
広い真ん中部分(中庭の中心部・ここに甘夏の木があります)、母屋とお兄様の家の間の抜け、
コンクリートで出来た宙に浮くテラス、母屋と通りの間にある暗めの庭、母屋の玄関アプローチ。
大きく開いて開放的にしたり、閉じて落着きをつくったり、
抜かせてワクワクさせたりと、外部空間だって手を抜いていない・・・
秋山さんは、ご自宅の不具合箇所を皮肉って、面白おかしくお話して
いましたが、きっとそういう部分も可愛らしいと受け止めておられる
のではないかと感じましたし、秋山さんはご自宅のことをとても
愛しているということが、とてもよく伝わってきました。
もちろん、みんな自分の家が好きなのでしょうけど、秋山さんの
それは、親を思う気持ちに似たものであったように思います。
個人宅ということで、画像を一切掲載しませんでした。
文字だけでその内容、その素晴らしさをお伝えすることはとても難しいことでした。
私の表現能力が乏しくて、伝わりにくい部分、読みにくい部分があったと思います。
お読みいただいた皆様にお詫び申し上げます。
そして、最後までお読みいただいたことに、お礼申し上げます。
ありがとうございました。
ご意見、ご感想をいただけましたら幸いです。
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