屋根の断熱
南房総市「白子の家」は、着々と工事が進んでおります。
この家は、屋根を支えている“垂木(たるき)”を見えるようにしているので、
屋根の断熱は“屋根の外側”でしています。
上の写真で白く見えているシートは“透湿防水シート”で、
「雨は通さないけど湿気は外に出す」というもので、
そのシートに包まれているのが屋根の断熱材です。
さらに、その上に湿気を排出するための部分を“通気垂木”でつくります。
湿気だけでなく、熱気も排除してくれます。
通気垂木の墨出しをして、
通気垂木を取付けていきます。
この上には、野地板を張って、その上に防水のためのルーフィングを張り、
ガルバリウム鋼板で仕上ます。
屋根の先端は、
屋根の内部を換気するために、外気を取り込む“給気口”を設けています。
ここから外気が入って、反対側の屋根の先端から抜けていきます。
垂木を見せて、軽快な屋根にするためには、同時に断熱や通気のことも考る必要があります。
断熱がちゃんとしていなければ、屋根からの熱気で室内が熱くなったり、
冷気寒くなったりと、外気の影響をもろに受けてしまいます。
通気もちゃんとしていないと、屋根の内部に籠った湿気で
長い間には、屋根の内部の木が腐ってしまうこともあります。
“垂木を見せる”という、派手なことを実現させるためには、
その裏で、地味ではありますが、性能を確保する仕事がされています。
そして、派手な部分を考えることも楽しいのですが、
地味な部分を考えるのも、設計する楽しみだと私は感じています。
「白子の家」
千葉県南房総市
家族構成:夫婦+子供2人
構造規模:木造平屋建て(一部ロフト)
設計監理:野口修アーキテクツアトリエ
tel 043-254-9997
この他に、
「アオハダの家」と「印旛の家」も垂木の見える住宅です。
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※来年から相談会も行います。また、テーマはお選びいただけるようにしました。
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