継手
「印旛の家」の化粧梁の一部。
よく目を凝らして見ると、この梁は2つの部材が繋がって出来ていることに
気がつかれると思います。
伝統的な継ぎ方で追掛大栓と言います。
非常に堅固な継手で、繋いだ部分から壊れることはないとされています。
これは、この現場が大工の「手刻み」によるものだからこそ、
この継手が出来ているのであって、
いまや一般化したプレカットでは「腰掛鎌継」になります。
腰掛鎌継が悪いわけではなく、追掛大栓がより強い継手ということです。
この「より強い」ということは構造計算では無視される部分ですので
手間のかかる追掛大栓にする必要がないのですが、
そこは大工がこの家のことを想って「折角、手刻みだから追掛大栓にしよう」と、
手間を惜しまずにやってくれたということです。
追掛け(大栓継)(おっかけ:だいせんつぎ)
桁など大きな部材に 用いる継手で、 相欠きに顎と襟輪をつけ、横から込み栓を打った
もの。込み栓を打たないと、追掛け継ぎである。男木・女木の区別はな く、両者が絡
む顎の部分には、1/10程度の滑り勾配を持たせて、継手が納まるに従って胴付き
部分が密着するように刻む。継手の中では、強固なものの一つである。現場では、
追掛けと呼ばれることが多い。
出典:建築用語集
「印旛の家」
千葉県印旛郡
木造平屋建 110.48㎡(33.53坪)
設計監理 野口修アーキテクツアトリエ
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