ひらく間

-全ての「間」がつながるマンションリノベーション-

木の匂いがするコンクリートの箱で暮らしたい!

そんな想いからリノベーション計画がはじまりました

 

「ひらく間」の建て主さんはマンションフルリノベーションについて、ご自身でかなり勉強されていました。
いくつかの設計事務所・工務店にも行かれたそうです。
その中で当アトリエのホームページにたどり着き
“ 嘘をつかない ” とホームページに書く設計者はどんな人だろう?と興味を持たれたとのこと。
そして当時で約5年分あったブログを全て読んでいただき、
“ お墓参りをキチンとしている人 ”(右の写真のブログ)
ならば大丈夫かな?と思って、勉強会に参加されました。
その勉強会を通して、当アトリエの考え方や姿勢をご理解くださり、「ひらく間」の設計が始まりました!

 
 

まずは、いただいた既存の平面図を利用して立体的なイメージをつくっていきました。
具体的に、造作家具を置いてみたり、ときには排水管までイメージして、案の可能性を確かめていきました。

※現地調査のときに、工務店さんに一部壁を剥がしていただき、配管の様子などを確認しています。
リノベーションの場合は、計画初期段階から工務店さんに入っていただき、現況の確認をしっかりすることがとても大事になってきます。
こういうことに協力していただける工務店さんはとても大切な存在です。

 
 

さらに可能性を探りつつ、計画案を詰めていきました。

やっと一つの案が出来て、建て主さんに提示したのですが、キッチンの向きやトイレのレイアウトなどを考え直す必要が出てきました。

このプランは、全て “ 引戸 ” が採用されています。
この住戸全体がひとつの部屋となるよう全ての空間が普段は繋がっていて、来客時にはそれぞれの空間に仕切る事が出来るようにするために、すべての空間に引戸を採用しました。
開けていても邪魔にならない引戸は、空間を繋げたり、仕切ったりする際にとても便利な建具です。

 
 

ただ、2回目のこの案も、
直ぐに採用とはなりませんでした。

寝室の北側に設けた収納部屋のつくり方や、玄関の仕切り方が建て主さんが希望されている使い方と違うということで、その部分の修正をすることになりました。
また、キッチンの床にはタイルを提案していたのですが、食器を誤って落としたときに割れやすいこと、他の部分との仕上の違いによる違和感、踏み心地などからリビングと同じ杉の無垢フローリングに変更することになりました。

この様な過程を経て、ようやく案が決定しました。

 
 

計画案がまとまり、見積をしたらやはり予算オーバー。
しかし、建て主さんは、単に金額を落とすことだけではなく、
その金額と内容が見合っているか?
それが本当に自分が実現したいことか?
を検討されましたので、建て主さんにとって過剰だった部分の工事費はカットし、実現したい工事についてはご予算を増額される決断をされました。
こうした “ 自分にとって大事なもの ” をキチンと吟味して行けることもご自宅をつくるときの醍醐味だと思います。
そのようなことも踏まえ、建て主さん、工務店さんと一緒に工事費の調整をし、納得のいく金額になり、いよいよ着工です。
※見積をしている間に、管理組合に申請作業を済ませました。

 
 

 

まずは、解体をしてスケルトン状態に。
そしてマンションリノベーションではめずらしく、
床鎮めの儀(新築で言うところの地鎮祭にあたります)を建て主さんのご希望で行いました。

 
 

大工さんがいよいよ現場に入ってきて “ 墨出し ” です。
“ 墨出し ” とは、壁の位置などの印をつけていく作業のことです。
まさに墨(墨汁)を使い、コンクリートの床面に印をつけていきます。
この時点で、図面と現実のズレを確認していきます。
今回は、大きな平面的なズレはありませんでした。
ただ、キッチンの換気扇のダクトが思っていたよりも太く、
計画していた天井のスペースでは納まりきれず、
天井のつくり方について設計を大幅に変更しました。

 
 

 

マンションリノベーションで問題になるのが床の音。
そこで、二重床にして床の遮音性能を高めました。

この二重床の上に、また壁の位置の墨を出していきます。

 
 

 

墨出しした位置に壁の下地を入れていきます。
なるべく壁を薄くして出来るだけ部屋を広くしていきます。

キッチンの換気扇のダクトも、変更した天井のスペースにしっかり納められました。

 
 

つくった下地に石膏ボードが張られたら、いよいよ仕上工事になります。

その前に、工務店さんに左官の塗り見本や板のサンプル、タイルのサンプルを現場に用意して戴き、建て主さんとともに、現場の光で仕上材を決めていきます。
あらかじめ、設計段階で、どんな仕上げにするかは決めておくのですが、設計で決めたとおりになる部分もあれば、この段階で違う色やパターンに変更されるものもあります。

 
 

現場は、最後の工程、仕上工事に入ります。
左官屋さんが、漆喰を壁や天井に塗っていきます。
しっかり押さえた漆喰は、完成写真をご覧いただくとわかるのですが、自然光が当たると壁が綺麗に光っています。
天井も、間接照明によって鏝あとが揺らいだような表情になってとても良い雰囲気を出しています。

現場の様子は、ここまで。
こうして完成した空間は、完成写真をご覧ください。

 
 

お引渡し後、雑誌「住む。」に取材をしていただきました。

春65号の特集「自在に直す集合住宅。」
というテーマで、掲載していただきました。
表紙も「ひらく間」のリビングから玄関方向を見た写真を採用していただきました。

 
 

お引渡し後、初めての冬。

「我が家の状況をご報告致します。
先日の雪が残っていて、冷凍庫の中にいるような寒さですが、部屋は内窓のおかげでリビング側については、外気がマイナスの気温なのに早朝でも17度を下回る事も無く、陽が昇ると20度近くになり快適に過ごしております」

というメールをいただきました。
精神的に作用する空間づくりも大切ですが、温熱環境を整えて、肉体に作用する空間を作る技術もとても大事ですね。

 
 

設計監理

野口修アーキテクツアトリエ

施  工

株式会社中野工務店

リノベーション面積:75.83㎡


 
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