平屋について

白子の家

現在工事中の千葉県「鎌ケ谷の家D」も平屋ですが、
うちでは鎌ケ谷の家Dを除き、いままで6件の平屋を設計させていただきました。


ここで、少し備忘録として平屋について記しておきたいと思います。


上のスケッチのように、平屋は平面的なバリエーションを
つけやすい特徴があります。
中庭形状、分棟型、への字形状など、
外と中の関係のつくり方の自由度が高いと思います。


また、下のスケッチのように

同じスペースの中で、空間の変化をつけやすい特徴もあります。
これは、上部に床が無いことから、高さ方向を自由に操作できるからです。
ロフトなどをつけて楽しい空間にしつつ、風を抜くなど、機能的にも平屋は有利と言えます。


特に平屋では、上の写真のような “ 軒の出 ” が効果的です。
日差しをさえぎったり、雨が降っていても窓を開けられたり、
外壁を守ったり、という機能的なことや
軒の出が中でも外でも無い曖昧な “ 軒下空間 ” をつくり、
暮らしを豊かにしてくれます。


それと、先ほど申し上げた通り “ 上に床が無い ” ことから
屋根を空間の意匠に使えるように使えるようになります。
屋根なりの天井、小屋組みを見せる天井、いずれも軽快で開放的な空間になります。

屋根の外側で断熱をしますので、断熱性能、気密性能は向上しますし、
天井の意匠の自由度が増すのも平屋の特徴です。




千葉県の木更津市で設計をしました「ANA nHOUSE」は

ガレージで中庭をつくった平屋ですが、
リビングと、その中庭が一体的になる様な平面計画になっています。




千葉県印旛郡の「印旛の家」は、リビングを中心に置き、その周囲に
寝室や和室、水廻りを配置した平屋なので、平面形状は凸凹しています。

平面を凸凹させることができやすいのも平屋の特徴と言えます。




千葉県南房総市「白子の家」は、小屋組みをあらわし、軽快な空間のリビングをつくった例です。
また、リビングにロフトを設け、縦方向に空間を取ると同時に、
ロフトから風が抜けて行くように考えた平屋です。
※模型写真と最終形は若干形状が違っています。






現在工事中の千葉県鎌ケ谷市「鎌ケ谷の家D」は、当初、下の模型写真のような
リビングを真南に向け、ガレージと廊下が変形の中庭をつくる平屋でした。

廊下は、天井を低く抑え、あえて狭い空間をつくり、
廊下を抜けた先に待っているリビングはロフトのある天井が高く
全開放できる木製サッシのある開放的な空間にして
メリハリのある平屋を計画していました。

現在は当初の案と変わりましたが、
同じ空間で開放的な部分と囲まれ落着きのある小さな空間を
併せもつ建て主らしい平屋を工事中で、9月初め頃の完成を目指しています。

上に紹介しました平屋は、比較的、平屋としては広い床面積ですが
大原の家」は25坪、「鎌ケ谷の家M」は19坪と小さめの平屋は
リビングを “ 広間 ” という呼び名で多様な使い方などができるように
して、機能的には十分なものにしています。というよりはむしろ
その方が平屋らしい感じがして良いほどです。
寝室にダイレクトに繋げたり、移動する壁のような引込戸を普段は開けておき、
寝室と広間を一体的な空間として広く使い、来客時などには閉めて
寝室と広間を仕切ってプライバシーを守ると言うように
空間に融通性をもたせることも、
平屋をつくるときに考えたいことの一つだと思います。

平屋をお考えのときの参考になりましたら幸いです。

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